熱中症の7割が室内で発生。おうちの中も要注意！

熱中症は、どこいる時が一番かかりやすいと思いますか？
イメージとしては、猛暑日に運動中、もしくは炎天下の朝礼中など、太陽の下で起こりそうな気がしますよね。

ところが人間でもペットでも熱中症にかかりやすい場所は室内が多いんです！

猫だけにしぼると7割以上が室内で発生しています。
しかも、そのうち2/3近くのケースが飼い主さまやご家族さまが一緒におうちにいる時！

もちろん、人間やわんこに比べて飼い猫は自宅室内にいることの方が多い、というのもあるのですが、それにしてもオドロキの数値です。

暑い地方生まれのリビアヤマネコを祖先に持つ猫は比較的暑さに強いとされています。
ですがそれは遠い遠い昔の話。
気が遠くなるような長い期間をかけて人間の生活に馴染み、また、品種改良や交配を経た結果、現代の家庭で暮らすイエネコの暑さ耐性は人間と変わらないという説も。

猫ちゃんは体内の熱を呼吸器系の粘膜からしか放熱できません。
しかも毛皮で覆われていますので熱がこもりやすく、さらに水をあまり飲まないので人間や犬に比べて排尿で体温を下げる頻度も低めです。

となると、実はむしろ猫ちゃんは人間よりも暑さに弱いのかもしれません。

もともと群れを作らない動物である猫は、弱点を隠そうとする本能が強く、体調が悪くてもあくまでもポーカーフェイス。
見た目では体調不良がわかりにくいだけに、日ごろから注意して早めに気がついてあげたいですね。

熱中症が起こりやすい条件として、

・前日との気温差が大きい
・(気温にかかわらず)湿度が高い
・室温と屋外との温度差が大きい

というものがあります。
温度よりも湿度が重要なんですね。(さすがに乾燥していても室温30度以上はどうかと思いますが…)

昨日より温度が上がる予報の日、雨のあとのかんかん照りで湿度がぐんと上がった時などは、特に気をつけて様子を見てあげてくださいませ。

生活領域をチェックしてまさかの事故を防止

◎食事について
熱中症の第一段階 熱痙攣は、血液中の塩分が不足することで起こります。
これは大量の飲水によって血が薄まることで起こることもありますが、暑さのあまり食欲が落ち、充分に必要な塩分が摂取できない場合にも起こります。

食事に関しては気まぐれな子が多い猫ですが、特に肥満で食事制限をしている猫ちゃん以外は「食べてないな」と思ったら少しおやつをあげるなどして、猛暑日に空腹の状態になることは避けるように気をつけましょう。

猫はニオイで食べ物を判断しますので、開封直後は食べるのに徐々に食べなくなる、という場合はニオイが消えてしまっているのかも。

真空に近い状態か、それが難しければ「パチッ」と閉まる容器を使って保存すれば、開封時のニオイを長持ちさせることができますよ！
最初は食べるのに徐々に食いつきが悪くなって困る、という場合はぜひ保存容器をお試しください。

また、一度“これはやばい”と思った食べ物は食べなくなる「味覚嫌悪」という反応もあります。
腐りやすい時期なのにウェットフードを出しっぱなしにして、それに口をつけた猫が味覚嫌悪によってもう二度とそのフードを食べない、なんてことも。
夏場は特にごはんの状態に注意して、水分が多めのフードを与えるときには時間を決めて食器を引き上げるようにしてくださいね。

◎水飲み場について
水は必ず、猫が行動するすべての部屋においてください。
一箇所だけに限定すると、その場所の水がいたんでしまったり、容器を倒してこぼしてしまったり、何らかの理由でそこから遮断されてしまった場合、水分がまったく取れないことになってしまいます。
できるだけいろんな場所にきれいで新鮮な水を用意してあげてくださいね。

また、猫は何かのついでにお水を飲むことが多いので、つめとぎの隣、よく通る通路、お気に入りのベッドの横など、猫ちゃんの目に付きやすい場所に置いてあげると効果的だと思います。

放熱能力に限界のある猫ちゃん。
最大の放熱方法は、冷たい石や床に、皮膚の薄い部分をあてて、体全体を冷やすこと。
床になが〜くなる猫ちゃんは猫飼い家庭の夏の風物詩ですよね。

猫ちゃんが移動できる範囲内に、コンクリ敷きの土間やタイルの床、硬い板間はありますでしょうか？
床暖房対応のフローリングでもかまわないのですが、板の厚みが薄いとすぐあたたまってしまいますので、できたら硬い板間がベター。

こちらも、いざ！というときに扉が閉まっていたり荷物が置かれていて猫ちゃんが使えない・・・ということのないよう、複数の場所にひんやりスポットを準備しておいてあげてください。

エアコンの効いた空間を嫌がる猫ちゃんも多いので、一緒に過ごすために部屋を冷やす時は、必ず猫ちゃんがもぐりこめるか丸くなれるあったかい場所を用意して置いてあげましょう。
寒い冬用に準備したベッドやブランケットもエアコンの冷え対策に活躍してくれますよ。

猫とエアコン。これもまたなかなかの、猫飼い永遠の議論の的のような気がいたします。
縁側や縁の下、風の通る玄関などのある昔ながらの日本家屋ならばあまり必要ないような気もしますが、現代日本の多くのご家庭ではエアコンは必須と言わざると得ないのではないでしょうか。

夏のお留守番は、猛烈に暑くなるのを防げればOKで、冷やす必要はないので28〜30度設定で充分かと思います。
しかし、そのあたりはお使いのエアコンの機種やお部屋の環境によって違いますので、何度設定にしておけば蒸し風呂状態にならないかを確認してみてくださいね。

ラタンベッド＆通年使えるベッド

猫を飼っていると、トイレや洗面所、お風呂場、クローゼットの中など、
「いつの間に？！」「どうやって？！」
と思う場所に猫がいる、ということがありますよね。

もし、どこか予想もしない場所に猫ちゃんが閉じ込められたまま、気がつかずに外出してしまったら…

毎夏、人間でもペットでも、思わぬ閉じ込め事故による熱中症の話は少なくありません。
熱中症予防のためにも、外出前にはどんなに急いでいても直前に猫ちゃんの顔を見て、危険な場所に閉じ込められていないかの確認をしてください！！

それだけ気をつけていても、予想をはるかに超えてくるのが猫。

普段開きっぱなしにしていて意識していないドアはありませんか？
まさか開けられないだろうと思っている棚や、閉め忘れがちな戸、ぱたんと倒れてもおかしくない蓋は？

ドアは開いている状態に保ったり、開けてほしくないドアはロックするために、ドアストッパーやノブロッカーが便利ですよ。

見逃さないで！熱中症のこんな兆候。

耳の根元・頭部や、進行している時には体全体が熱をもちます。

気化によって体温を下げようと激しくグルーミングしているか、過剰なグルーミングの結果被毛全体が湿っていることがあります。

口を開けて犬のようにハアハアと呼吸していたり、舌を出していることもあり、舌や口腔内はいつもよく赤くなっています。
心臓は激しくドキドキしている、もしくは心音が確認しづらいくらいゆっくりになります。
さらに進行している場合は痙攣や嘔吐があります。

熱中症に限らず体調が悪くなると、猫は普段よりおとなしくなります。
寝ているわけでもなく、特に怖がる原因も見当たらないのに暗いところや部屋のすみなどにうずくまって動かないようなら、体調不良と見て間違いないでしょう。

※上記はあくまでも一例です。一部の例にあてはまらないことやすべての例にあてはまらない場合も、猫ちゃんの様子に異常を感じたら必ず獣医師の診察を受けてください！